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日々気まぐれにつらつらと
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お次へ進んでくださいませ
 
ちなみに彩雲国・男主
まだ方向が決まってないので
つらつら書き連ねる方向で
設定変わったりしてるかもなので
本編がUPされたときに嫌な思いをしたくない方は
進まれないことを望みます
 
ちなみにこのブログで変なことした男主とは
また別人なのであしからず
どんだけネタがあるんだって話!(*ゝ∀・)ゞ
 
細かい設定が知りたいって人があったら明日書こうっと
(↑いや、いないだろ)


「頭なんてよくったってどうにもならねぇなぁと思う今日この頃」
 
 つぶやいた横顔を見ながら、首を傾げる。
 空を見上げたまま、龍蓮を見ることもなく話を続けた。
 
「アンタだってそうだろ?
 誰かに使われて、誰かに恨まれて、誰かに妬まれてる」
 
「私は、そのようなこととは無縁だ」
 
「ホントか?」
 
 驚いたように零した言葉。
 それが少し胸に痛い。
 
「少なくとも、こうやって旅を続けているうちは」
 
「そっか、いいな」
 
 諦めたような笑みを浮かべて、ようやく龍蓮を見た。
 
「生きることに精一杯で、抱えてた夢もなくして。
 アイツらの世話だけでこうして日々を過ごしてる」
 
 夢なんてあっても食ってはいけない。
 いつだったかそう呟いた。
 この男が言葉を零すときは、いつだって何かを諦めてるときだ。
 それを、龍蓮にはどうしてやることもできない。
 
 『龍蓮』の名を使えばどうにかだってしてやれる。
 だが、この男はその名を必要としない。
 もう、諦めているのだ。
 そんな人間に名を貸してやれるほど、『龍蓮』の名は安くはない。
 
 そして、きっとこれでいい。
 
「明日も、明後日も、こうして生き続けることさえできるかどうか」
 
 ゆるく握ったこぶし。
 その手には、少なくとも三人の人間の命が囲われている。
 彼の幼い弟妹たちだ。
 この男がこうして懸命に働いている間も、ゆるゆると健やかに成長している。
 それを、本当はどう思っているのか。
 
「時間はどうして短いんだ」
 
 龍蓮には少なくとも長く感じた時は、この男にとって短い。
 そしてこの男のように思うようになったとき、
 
 
 
 きっとそれは最高に幸福になったときに違いないのだ。
 
 
 
 この男と違って、それは緩やかな幸せのときだろう。
 苦渋の面をすることもなく、穏やかに笑えるときだろう。
 
 
 
 もしも立場が逆だったなら。
 同じように苦悩しただろうか。
 それとも、別の道を歩むだろうか。
 
 龍蓮は『龍蓮』ではなく、龍蓮だろうか。
 それとも龍蓮は『龍蓮』でしかないのだろうか。
 
 むしょうにそれが知りたくて、けれども決して知ることはないと悟る。
 やはり龍蓮は『龍蓮』以外の何者でもない。
 この男がどれだけ自分と似た部類の男だろうと、『龍蓮』にはなりえない。
 
 哀れんでいいのか、幸福に思っていいのか。
 それさえももう分からない。
 考えたく、ない。
 
 出会わなければ良かったと、少し思った。
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