日々気まぐれにつらつらと
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
原因かなぁと思われる部分は弄ってみましたが
名前変換可能でしょうか?
呼びかけから誰も答えてくれないので分からずじまいです(*ゝ∀・)ゞ(何その笑顔
明日試験なのに、今日も今日とて妄想日記
名前変換可能でしょうか?
呼びかけから誰も答えてくれないので分からずじまいです(*ゝ∀・)ゞ(何その笑顔
明日試験なのに、今日も今日とて妄想日記
「そろそろお前も帰る頃か」
どの世界も変わらない月を見上げていると、背中から声がかかる。
振り向くと、変わらない表情。
いつもと変わらない、何一つ本当は心動かされていないのだと言う表情だ。
彼は、こうして絳攸がこの世界へ来たことさえ、何の変哲もない、些末な事だと思っているのだ。
それで、いいのかもしれない。
去った後に悲しまれることもなく、また自分も罪悪感を抱くことはない。
彼には、それが分かっているのかもしれなかった。
「夜月が何を勘違いして俺のところへ寄越したのかは知らん。
数年前か、数年後へ送り込めばよかったものを」
絳攸が知らないのは、家族の愛ではない。
自分が他人を愛することだ。
ただ、それが見えにくいだけ。
「思えば黎も、そういうやつだったな」
「黎深様もここへ来たことがあったのか!?」
「あぁ。
俺たちにしてみたら数日前だが、どうやらそっちでは十年はたってるようだな」
「十年前の黎深様……」
「多分、お前を拾うより前のことだろう。
結婚もまだしてなかったんじゃないのか?」
「そのくらい、なのかもしれない」
もしかして、この男との出会いが黎深を変えたのだろうか。
自分がここにいられるのは、もしや彼のおかげなのかもしれない。
間接的に彼に生かされていた事実に、絳攸は鼓動が高鳴る。
それは恋などというものではなく、恐ろしい事実に対しての、緊張のようなものだ。
「なぁ、絳。
黎の事に関して言えば、俺もちょっと言える」
「どういうことだ?」
「あいつがお前に対して優しくないのは、そう見えないだけだ」
「見えない……」
「人には人の愛し方がある。
それは、相手が親子の関係だとて例外ではない」
諭すような声。
浮かべる表情は酷く優しいもので。
「お前には分からない。
人には、経験に勝る知識はないから」
「俺は、親になったことはないからと、そういうのか?」
「俺がじいさんたちの老化を理解してやれないのと一緒だ」
その例えはよく分からなかったが、なんとなく、分かる。
亀の甲より年の功、といったものだろう。
「俺にはたくさん理解できないものがある。
子供を捨てる親の気持ちも分からなきゃ、真の貧困なんてものも分からない。
お前が捨てられなきゃいけなかった経緯も、黎深がどうしてお前を育てる気になったのかも」
心臓が痛いほど高鳴る。
「けど、出会えた幸福は確かにあるから」
キュッ、と心臓を掴むように。
「世界を恨むなよ」
染み入る言葉に、目頭が熱くなる。
どうしてそんなに思うのか分からない。
けれども胸に響いたから。
彼の言うとおり、もうすぐ帰ることになるのだろう。
けれども悔いはない。
帰ってもきっとやっていける。
何が解決したのかさえ分からない。
けれども、きてよかったと思えた。
どの世界も変わらない月を見上げていると、背中から声がかかる。
振り向くと、変わらない表情。
いつもと変わらない、何一つ本当は心動かされていないのだと言う表情だ。
彼は、こうして絳攸がこの世界へ来たことさえ、何の変哲もない、些末な事だと思っているのだ。
それで、いいのかもしれない。
去った後に悲しまれることもなく、また自分も罪悪感を抱くことはない。
彼には、それが分かっているのかもしれなかった。
「夜月が何を勘違いして俺のところへ寄越したのかは知らん。
数年前か、数年後へ送り込めばよかったものを」
絳攸が知らないのは、家族の愛ではない。
自分が他人を愛することだ。
ただ、それが見えにくいだけ。
「思えば黎も、そういうやつだったな」
「黎深様もここへ来たことがあったのか!?」
「あぁ。
俺たちにしてみたら数日前だが、どうやらそっちでは十年はたってるようだな」
「十年前の黎深様……」
「多分、お前を拾うより前のことだろう。
結婚もまだしてなかったんじゃないのか?」
「そのくらい、なのかもしれない」
もしかして、この男との出会いが黎深を変えたのだろうか。
自分がここにいられるのは、もしや彼のおかげなのかもしれない。
間接的に彼に生かされていた事実に、絳攸は鼓動が高鳴る。
それは恋などというものではなく、恐ろしい事実に対しての、緊張のようなものだ。
「なぁ、絳。
黎の事に関して言えば、俺もちょっと言える」
「どういうことだ?」
「あいつがお前に対して優しくないのは、そう見えないだけだ」
「見えない……」
「人には人の愛し方がある。
それは、相手が親子の関係だとて例外ではない」
諭すような声。
浮かべる表情は酷く優しいもので。
「お前には分からない。
人には、経験に勝る知識はないから」
「俺は、親になったことはないからと、そういうのか?」
「俺がじいさんたちの老化を理解してやれないのと一緒だ」
その例えはよく分からなかったが、なんとなく、分かる。
亀の甲より年の功、といったものだろう。
「俺にはたくさん理解できないものがある。
子供を捨てる親の気持ちも分からなきゃ、真の貧困なんてものも分からない。
お前が捨てられなきゃいけなかった経緯も、黎深がどうしてお前を育てる気になったのかも」
心臓が痛いほど高鳴る。
「けど、出会えた幸福は確かにあるから」
キュッ、と心臓を掴むように。
「世界を恨むなよ」
染み入る言葉に、目頭が熱くなる。
どうしてそんなに思うのか分からない。
けれども胸に響いたから。
彼の言うとおり、もうすぐ帰ることになるのだろう。
けれども悔いはない。
帰ってもきっとやっていける。
何が解決したのかさえ分からない。
けれども、きてよかったと思えた。
PR
この記事にコメントする
